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令和3年度 研究大会のご案内

令和4年2月11日(金)に令和3年度 研究大会をオンラインにて開催します。
案内については、一次案内をご覧ください。

令和3年度 平野五校園共同研究発表会のご案内

令和3年11月6日(土)に開催される「令和3年度 平野五校園共同研究発表会」については、特設ホームページをご覧ください。
また概要については、二次案内をご覧ください。

エクステンション研修(公開研修)の報告

 7月29日(木)と30日(金)の2日間にわたり、本校主催のエクステンション研修を行いました。暑い中、充実した研修を開催することができ、特別支援教育の専門性向上に向けての有意義な研修となりました。たくさんのご参加ありがとうございました。

【講座1】 10:00~12:00
「脳科学から捉える知的・発達障害」
講師:大内田 裕(大阪教育大学 特別支援教育部門特任准教授)
「脳科学の知識をどのように教育現場で役立てるか」を考えるにあたり、主な発達障害の定義や対象となる問題に医学的な知識を利用し、要因について考えを深めるなど、脳科学からの捉え方についてお話して頂きました。神経系、大脳皮質、前頭葉などから見えてくることを具体的に学べる場となりました。また、自閉症スペクトラム症を例に問題行動や認知機能から起こる脳機能の問題についてお話して頂きました。参加者からは「発動性を出すためにはどうすればよいか」「前頭連合野の機能を高める方法はどんなことがあるか」等の多くの質問がでる活気のある研修となりました。
 

【講座2】 10:00~12:00
「障害のある子どもの保護者理解と支援」
講師:西山 健(大阪教育大学 特別支援教育部門教授)
保護者の障害受容という概念の創始から、意識の変容過程について幾つかの代表的な段階説のお話がありました。具体例として仮説モデルをグラフ化した図も表示され、保護者の心理がどのように変わっていくのか、また現時点ではどの段階にあるのかを考えさせられる内容でした。後半は、子どもとの向き合い方や子育ての姿勢についての話から時間展望の観点からみた心理学諸理論への展開があり、更に話に引き込まれていく内容でした。人間性心理学での他者理解や捉え方について学ぶことができ、参加者からは「クラス、学年で共有して、保護者へのアプローチを考えていきます」等の感想があがっていました。
 

【講座3】 13:00~15:00
「体験、特支のプログラミング教育」
講師:仲矢 史雄(大阪教育大学 教育イノベーションデザインセンター教授)
今回の講座ではタイトルの通り、プログラミング学習の教材の紹介やワークショップを中心とした内容で、特別支援学校で実施されているプログラミング教育を分かりやすく説明していただきました。特にアンプラグド型教材が目を引き、ロボット「トゥルートゥルー」に実際に触れて動かし、参加者も楽しんで取り組んでいました。またアンプラグド教材についてのメリットや課題についても説明があり、プログラミング的思考を十分に理解していないと、単に楽しい活動で終わってしまうという側面も押さえることができました。参加者からは「考え方、捉え方で勉強になりました」等の感想があがっていました。
 

【講座4】 13:00~15:00
「行動問題を抱える子どもに対する「行動の理由」を踏まえた支援」
講師:庭山 和貴(大阪教育大学 連合教職実践研究科准教授)
「行動原因」の捉え方や行動理解、望ましい行動を積極的に増やすアプローチについて具体的にお話して頂きました。子どもたちの困った行動を減らし、「望ましい行動を伸ばす」ためのステップについてひとつひとつ丁寧にお話して頂きました。望ましい行動を伸ばすためのポイントや強化の仕方(ポジティブ・フィードバック)、「困った行動」が見られた場合の対応などについても具体的にお話して頂きました。また、具体的な場面を動画で確認しながら、事例に即したワークも行い、参加者全員が考えながら取り組める機会もあり、これからの学校現場実践にいかせる研修となりました。
 

【講座5】 10:00~12:00
「新学習指導要領に基づく知的障害児への指導」
講師:今枝 史雄(大阪教育大学 特別支援教育部門講師)
知的障害児の定義を踏まえた理解からみえてくる支援について、具体的にお話して頂きました。新学習指導要領における育成すべき資質・能力とは何かを考える機会にもなりました。また、“思考力・判断力・表現力”の考え方の具体例をあげ説明して頂くことで、その人に合った指導・支援から「できる」ようになることを実感することができました。これまでの教育とこれからの教育の違いや授業づくりのポイント、目標と評価についてなど、様々な視点からお話して頂きました。「新学習指導要領の抽象的な文言を具体的に理解することができた」「特別支援学校の学習指導要領が今後どのようになるか教えて頂きたい」等の感想や質問があがり、参加者がじっくり向き合うことのできる研修となりました。
 

【講座6】 10:00~12:00
「知的障害のある子どもへの読み書き指導―実践例―」
講師:白樫 麻紀(附属特別支援学校 相談・支援センター指導教諭)
小学校支援学級担当者へのアンケート調査から、先生方の指導の悩みや困り感に答える内容で、「読める・書ける」とはどういうことか、読み書きに関わる認知機能の発達、指導例の紹介などを具体例も多く交えてお話しいただきました。アセスメントに用いる発達検査や、学習レディネスを高める遊びの紹介や、すぐに実践に取り入れることができそうなものがたくさんありました。指導している動画で、実際の児童とのやり取りやことばかけ等を確認することができ、参加者からは「映像なども使って実践例をいくつも紹介していただき、早速取り入れてみたい」等の感想があがっていました。
 

【講座7】 13:00~15:00
「支援を必要とする子どもたちの授業づくり-授業のポイントを具体的に考える-」
講師:森田 安徳(附属特別支援学校 相談・支援センターアドバイザー)
授業作成方法、学習活動の課題分析、授業の構造化についてなど、授業づくりにおけるポイントをお話して頂きました。指導案の項目ごとの記述方法についても具体例をあげながらひとつひとつ丁寧に説明して頂きました。また、子どもたちの様子を観察することで見えてきた経験談をもとに、様々な支援方法や子どもが分かって動ける授業に必要な環境づくりなど、具体的にどのようにすればよいかを教えて頂くこともできました。参加者からは「実践例をいくつも紹介していただき、早速取り入れてみたい」等の感想があがっていました。他にも、自発性を育てる指導方法や評価方法など、これからの授業作りにいかせる研修となりました。
 

【講座8】 13:00~15:00
「ポストコロナにおける知的障害児への指導・支援の在り方」
講師:岩﨑 弘(附属特別支援学校 相談・支援センター主幹教諭 / 大阪教育大学連合教職実践研究科講師)
これまでの社会情勢の中での特別支援教育の在り方から、現在のコロナ禍における特別支援教育の大切さをお話いただきました。前半は全国の特別支援学校や寄宿舎におけるコロナ禍での実態を調査した結果がグラフで示され、児童生徒・支援者・教員が感じているストレスや体調面の変化等を知ることができ、改めて現状の厳しさを感じる内容でした。後半はICT活用、構造化、支援の在り方、地域との協働などあらゆる面での特別支援教育との繋がりを意識させられる内容で、社会に開かれた教育課程をつくるために大切なことや、まとめで話された「コロナだからできない、仕方ないにはならないように!」の言葉が印象に残る講座でした。
 

本校研究について

本校では現在「本校研究(学部研究)」「ユニット・個人研究」「平野五校園共同研究」の三層構造で研究を進めております。それぞれの研究について説明します。詳しくは本校の研究概念図をご覧ください。

令和2年度 研究概念図

1.本校研究(学部研究)

本校研究主題(2019~2021年度)
「知的障害教育におけるカリキュラム・マネジメントの運用とキャリア教育の推進」
 上記研究主題を昨年度設定し、今年度は2年次の研究を進めております。今年度から小学校及び特別支援学校小学部で新学習指導要領が全面的に実施されています。新しい学習指導要領での3つの柱として「資質・能力の育成」「社会に開かれた教育課程」「カリキュラム・マネジメント」の推進がうたわれています。これからの社会は高齢化社会やグローバル化社会の発展等、予測不可能な社会であると言われています。そのような社会を生き抜くために必要な「資質・能力の育成」が次の学習指導要領では求められています。またカリキュラム・マネジメントについて、文部科学省は「教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと、教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと、教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して、教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと」と定義しています。つまり、子どもたちに合わせた教育課程・教育内容を徹底的に検討し、子どもたちの卒業後の姿をイメージし、教育することが大切だと言えます。卒業後をイメージするためには、「キャリア教育」の考え方は欠かせません。学校教育活動全てにおいて実施されるべきものであるとしています。小学部・中学部・高等部で一貫した共通軸を持ち、目指す子ども像を一致させ、そこに向かって教育を施すことが大切です。そこで昨年度本校では各学部の教育目標を「3つの資質・能力」の観点で見直しました。また、「附属版キャリア・マトリックス」を作成し、本校の子どもたちを見るためのスコープとしました。この研究を進めていくうえで大切なことは、子どもたちのありのままの姿を見取り、何を目指して教師は教育しなければならないかということをチームで検討することだと私たちは考えています。目指す姿を共通理解し、そのために必要な教育を施すのは当然のことですが、それを改めて考え直してみようと研究主題を設定しました。今年度は「キャリア・マトリックス」を活用した事例研究と授業研究に取り組んでいます。

2.ユニット研究・個人研究

学部研究に加えて、特別支援教育の今日的課題に対応するためにユニット研究・個人研究にも取り組んでいます。ユニット研究では、以下の5つのテーマで研究を進めています。これらの研究は本学特別支援教育部門等の先生方と共同で研究を進めています。また本校は研究校であることから、個人研究も推奨しています。教員の研究に対するニーズは高く、今年度は7人の教員がそれぞれのテーマを設定し、研究を進めています。
ユニット研究・個人研究のテーマは以下の通りです。

【ユニット研究】

1.知的障害特別支援教育における感覚情報を活用した運動学習

2.知的障害のある子どもへの読み書き指導

3.インクルーシブ教育

4.どろんこプロジェクト

5.知的障害教育におけるプログラミング学習を活用した論理的思考の育成

【個人研究】

1.音楽科における個のニーズに応じた補足的支援について

2.描画法による知的障害児理解と特別支援教育について

3.知的障害教育における「特別の教科 道徳」の授業モデルの提案

4.知的障害教育におけるダンス教材を使った取り組み

5.知的障害特別支援教育における社会的ニーズを踏まえた キャリア教育の授業づくりについて

6.良好な対人関係の形成に課題を持つ生徒が直面する 進路選択に対する支援について

7.安心して発言、自己決定できる環境つくり

3.平野五校園共同研究

大阪教育大学附属学校園は、池田・天王寺・平野の3つの地区に分かれていますが、本校は平野地区に所属しています。この平野地区には、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校があります。その五校園で共同研究に取り組んでおり、これを「平野五校園共同研究」と呼んでいます。今年度からは研究主題が「一人ひとりの多様な可能性を広げる評価のあり方(2)-主体性が働く探求学習プログラムと学習評価のモデル開発をめざして-」と新たに設定され、3年計画で研究を進めていきます。

過去の取り組みについては、研究業績・委託等をご覧ください。

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