本学では、連合教職大学院の実習のことを「学校実習」と名付けられています。この「学校実習」は、学部生の時に行った「教育実習」とは異なり、院生自身が研究計画に基づき、実践研究のテーマを設定して取り組む実習となっています。
教職大学院について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。また、連合教職大学院ブログに、「学校実習のご紹介」として、このページの内容が紹介されています。
実績
令和6年度 | 6名 |
令和5年度 | 10名 |
令和4年度 | 11名 |
令和3年度 | 8名 |
令和2年度 | 3名 |
令和元年度 | 2名 |
感想
私は、小学校で特別支援学級を担当しています。小学校においても特別な支援を必要とする子どもが増加し、教育支援のニーズが一層高まっています。子どもたち一人一人のニーズに合った支援を行っていくにはどのように進めていけばよいのか、悩む日々を過ごしていました。そこで、大阪教育大学教職大学院に進学し、大阪教育大学附属特別支援学校で学校実習に取り組み、より専門的な指導・支援方法を学びたいと思いました。
研究テーマは「『主体的な学び』を促す授業改善の研究」とし、子どもたちが進んで授業に参加し、意欲的に考えたり表現したりできるような授業づくり・授業改善について研究しました。研究授業では、担任の先生方から助言をいただきながら、子どもたちの学習意欲を引き出せるような授業を目指しました。例えば、1学期の「宿泊学習で楽しみなことを紹介しよう」という授業では、子どもたちが大変楽しみにしていた学校行事を題材にし、多くの子どもたちが意欲的に学習活動に取り組むことができました。2学期の「楽しみなことをインタビューしよう」という授業では、友だちや先生にインタビューをする場を設定し、自分の思いや考えを楽しく交流することができました。このように、子どもが主体的に授業に取り組めるようにするには、授業の題材設定の工夫をはじめ、環境設定、人的配置の配慮、子どもたち一人一人に合わせた補助用具を準備するなど、様々な工夫が行われていることを、学校実習を通して学ぶことができました。今後、大阪教育大学附属特別支援学校で学んだ指導・支援方法を小学校でも参考にし、勤務校の特別支援教育の推進に貢献できるように努力していきたいです。
私は大学で特別支援教育を専攻し、より専門的な知識と実践を積み重ねてから教員になりたいという思いから、昨年度から大阪教育大学教職大学院で学んでいます。
大学院での研究テーマは、授業における自己選択・自己決定支援の方法です。大学の卒業論文では「知的障がいのある人を対象とした大学公開講座の工夫と課題」についてインタビューを行いました。その中で、社会に出てから自己選択・自己決定する力が重要であることに気づきました。そこから、社会に出る前の学齢期の子どもたちが自己選択・自己決定できるようにするにはどのような授業や支援が必要なのかということに興味をもち、教職大学院での研究テーマとすることにしました。
このようなテーマに沿って、昨年度は小学部、今年度は高等部で実習を行っています。
昨年度の小学部では、季節の工作を題材とした研究授業を行いました。5つの色の中から使いたい色を選択するという活動ひとつとっても、子どもたちの思いをくみ取り反映させる難しさを感じますが、子どもたちが選択しやすい支援を試行錯誤し、完成したもので遊ぶ姿や嬉しそうにする姿を見ると私も嬉しくなりました。同時に自己選択・自己決定の機会の重要性に改めて気づくことができました。
今年度は、社会人を目前に控えた高等部の子どもたちの支援についても考えてみたいと思い、実習の学部を変更しました。高等部では美術の授業を通して、好きな画材を選んで色を塗る活動や、実生活で使うことを想定した陶芸作品づくりを行いました。就職先や住むところの選択のように見通しをもって選択する場面が卒業後には出てきます。それらを踏まえ、目先の好きなものを選ぶだけでなく、作った作品をどのように使うかを考慮した選択課題を設定しました。「おかしを入れて食べたい。」「お母さんにプレゼントしたい。」等の子どもたちの考えを聞きながら納得のいく作品を作ることができた様子から、自分で選ぶことの大切さや見通しをもって自分で決めることの必要性を感じました。
小学部・高等部での実践から、子どもたちの自己選択・自己決定支援の方法について考える機会になりました。今後もより良い支援を研究していきたいと思います。
また、研究テーマに沿った活動に加えて日々の実習を通して子どもたちに関わり、その成長に関われることに喜びを感じています。取り組みたいことを自由にさせていただける環境に感謝しながら、今後も子どもたちの成長とともに自分自身も学びを深めていきたいと思います。(M2生)
私は、特別支援学校6年間、農業高校2年間勤務し、今年度から大阪教育大学教職大学院で学んでいます。私の専門の教科は農業です。研究テーマとしては農業における学習を通して、特別支援学校の生徒たちの学びと力をつける為のカリキュラム作りとしています。主に農業を題材として高等部の「理科」と「制作」の授業を通して実践研究に取り組んでおります。実習当初は、緊張していましたが生徒たちから「先生はいつきてるの?」や授業を行った日には生徒たちから「私、ヒマワリが咲くのが楽しみ」等の声をかけてくれて、実習を行う日がとても楽しみになっています。また、登校時にも保護者の方々にとても明るく声をかけていただき元気をもらっています。
農業の学習におきましては植物や動物に関わること、食品等と様々な分野がありますが、どのような学びにおいても生徒たちの将来にとって大切な学びであると思っています。最近は、食べ物や緑に関わること等、豊かな生活を送るために注目されています。このようなことから、学校での学びにおいても生徒たちがいかに楽しく且つ、将来に繋がる学びとして身につけてもらえるかを考えながら実習と研究の活動に取り組んでいます。校内の自然環境は、木々や草花、花壇や畑も活動するには充分な程あり、このような豊富な場所で実習できとてもありがたく思っています。これからの2年間を生徒たちや先生方から様々なことを学ばしていただき、充実した期間にしていきたいと思っています。(M2生)
私は、以前他県で勤務していた時、出張で附属特別支援学校の公開授業に参加させていただきました。その時に参観した中学部の授業がとても面白く、また生徒と一体感のある雰囲気に興味を持ちここで勉強したいと思いました。それから、次年度、特別支援教育コースに入学し、学校実習の実習校を附属特別支援学校でお願いしました。
学校実習は、中学部と小学部で実施しており、児童生徒と一緒に楽しく遊びや学習を共にしながら、研究テーマに関連した研究授業をさせていただいております。私の研究テーマは、『知的障がい・発達障がいのある児童生徒の自己効力感を高めるプログラミング教育の実践』です。児童生徒の実態に合わせた教材開発や環境設定を行って、思考力としての『試行錯誤』と、判断力としての『自己選択・自己決定』を重視した授業づくりを行っています。特に発達段階や生活年齢に合わせた教材開発に取り組んでいます。小学部では、オリジナルパズルを作って研究授業「算数」を行いました。また、中学部では、プログラミングカーやドローンを用いて、研究授業「数学」を行いました。どの授業でも、児童生徒自分自身が試行錯誤しながら、一生懸命に取り組みプログラムしていく姿に感銘を受けました。授業を行うたびに児童生徒の成長だけでなく、授業の展開や児童生徒への指導・支援に気付かされることがあり、私自身も次の研究授業を考える時に試行錯誤しています。(令和3年度卒)
私は、学部時代は特別支援教育を専攻していたのですが、大学院からは音楽を専門科目とし、研究に励んでいます。特に、特別支援学校の音楽科教育について、音楽遊びの活用や身体表現に関わる授業実践をしながら、言語活用の難しい児童でも音や音楽を聴いて感じたことを表現できるような、具体的な方法を探っている所です。
私が学校実習を実施するにあたって、大阪教育大学附属特別支援学校を選んだ理由は、特別支援学校で研究を進めていきたいと思っていたからでもありますが、1番の大きな理由は、昨年度からお世話になっている附属の先生方のお役に立ちたいと思ったからです。私は去年から小学部で毎週学生支援員として1組の補助に入らせていただき、現場で児童との関わり方や、先生方が抱えている業務、保護者とのやり取りなど、大学の講義を受けているだけでは学ぶことができない多くの事を得ました。1年間継続して通わせていただいたため、児童との信頼関係も濃くなり、保護者の方とも学校では顔を覚えていただき、コミュニケーションをとる機会もありました。放課後には先生方に児童との関わり方の助言をいただいたり、悩みの相談に乗っていただいたりと、本当にお世話になりました。
現在は小学部だけでなく、中学部や高等部の音楽の授業にも関わらせていただき、さらに附属支援学校全体へと交流を深めています。これからも附属特別支援学校で学校実習をさせていただく中で、私自身もたくさんのことを学びながら、自分の研究や学校での働きが少しでも附属支援学校の役に立つことができれば幸いと思っています。(M2生)
その他
現在、学校実習を行っている教職大学院生への連絡ページは、こちらです。
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