研究業績 2019~2021年度

2019~2021年度 研究の取り組みについて

本校では現在「本校研究(学部研究)」「ユニット・個人研究」「平野五校園共同研究」の三層構造で研究を進めております。それぞれの研究について説明します。詳しくは本校の研究概念図をご覧ください。

令和2年度 研究概念図

1.本校研究(学部研究)

本校研究主題(2019~2021年度)
「知的障害教育におけるカリキュラム・マネジメントの運用とキャリア教育の推進」
 上記研究主題を昨年度設定し、今年度は2年次の研究を進めております。今年度から小学校及び特別支援学校小学部で新学習指導要領が全面的に実施されています。新しい学習指導要領での3つの柱として「資質・能力の育成」「社会に開かれた教育課程」「カリキュラム・マネジメント」の推進がうたわれています。これからの社会は高齢化社会やグローバル化社会の発展等、予測不可能な社会であると言われています。そのような社会を生き抜くために必要な「資質・能力の育成」が次の学習指導要領では求められています。またカリキュラム・マネジメントについて、文部科学省は「教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと、教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと、教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して、教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと」と定義しています。つまり、子どもたちに合わせた教育課程・教育内容を徹底的に検討し、子どもたちの卒業後の姿をイメージし、教育することが大切だと言えます。卒業後をイメージするためには、「キャリア教育」の考え方は欠かせません。学校教育活動全てにおいて実施されるべきものであるとしています。小学部・中学部・高等部で一貫した共通軸を持ち、目指す子ども像を一致させ、そこに向かって教育を施すことが大切です。そこで昨年度本校では各学部の教育目標を「3つの資質・能力」の観点で見直しました。また、「附属版キャリア・マトリックス」を作成し、本校の子どもたちを見るためのスコープとしました。この研究を進めていくうえで大切なことは、子どもたちのありのままの姿を見取り、何を目指して教師は教育しなければならないかということをチームで検討することだと私たちは考えています。目指す姿を共通理解し、そのために必要な教育を施すのは当然のことですが、それを改めて考え直してみようと研究主題を設定しました。今年度は「キャリア・マトリックス」を活用した事例研究と授業研究に取り組んでいます。

2.ユニット研究・個人研究

学部研究に加えて、特別支援教育の今日的課題に対応するためにユニット研究・個人研究にも取り組んでいます。ユニット研究では、以下の5つのテーマで研究を進めています。これらの研究は本学特別支援教育部門等の先生方と共同で研究を進めています。また本校は研究校であることから、個人研究も推奨しています。教員の研究に対するニーズは高く、今年度は7人の教員がそれぞれのテーマを設定し、研究を進めています。
ユニット研究・個人研究のテーマは以下の通りです。

【ユニット研究】

1.知的障害特別支援教育における感覚情報を活用した運動学習

2.知的障害のある子どもへの読み書き指導

3.インクルーシブ教育

4.どろんこプロジェクト

5.知的障害教育におけるプログラミング学習を活用した論理的思考の育成

【個人研究】

1.音楽科における個のニーズに応じた補足的支援について

2.描画法による知的障害児理解と特別支援教育について

3.知的障害教育における「特別の教科 道徳」の授業モデルの提案

4.知的障害教育におけるダンス教材を使った取り組み

5.知的障害特別支援教育における社会的ニーズを踏まえた キャリア教育の授業づくりについて

6.良好な対人関係の形成に課題を持つ生徒が直面する 進路選択に対する支援について

7.安心して発言、自己決定できる環境つくり

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