第3回 2023年7月26、27日
7月26日・27日に令和5年度エクステンション研修を実施しました。
地域の小学校、中学校、特別支援学校の先生方に対面とオンラインでご参加いただきました。
本研修は本校のセンター的機能の一環として、保育園や幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の教員が、特別支援教育について学ぶことができる、また、その専門性向上の機会となることを目的として実施しました。
第2回 2022年7月28、29日
7月28日(木)~29日(金)に本校相談・支援センター主催のエクステンション研修(講座1~4)が終了しました。コロナ禍のなか、対面とオンラインでのハイブリット型で実施しました。全国からご参加いただきありがとうございました。
第1回 2021年7月29、30日
2021年7月29日(木)と30日(金)の2日間にわたり、本校主催のエクステンション研修を初めて行いました。暑い中、充実した研修を開催することができ、特別支援教育の専門性向上に向けての有意義な研修となりました。たくさんのご参加ありがとうございました。
【講座1】 10:00~12:00
「脳科学から捉える知的・発達障害」
講師:大内田 裕(大阪教育大学 特別支援教育部門特任准教授)
「脳科学の知識をどのように教育現場で役立てるか」を考えるにあたり、主な発達障害の定義や対象となる問題に医学的な知識を利用し、要因について考えを深めるなど、脳科学からの捉え方についてお話して頂きました。神経系、大脳皮質、前頭葉などから見えてくることを具体的に学べる場となりました。また、自閉症スペクトラム症を例に問題行動や認知機能から起こる脳機能の問題についてお話して頂きました。参加者からは「発動性を出すためにはどうすればよいか」「前頭連合野の機能を高める方法はどんなことがあるか」等の多くの質問がでる活気のある研修となりました。
【講座2】 10:00~12:00
「障害のある子どもの保護者理解と支援」
講師:西山 健(大阪教育大学 特別支援教育部門教授)
保護者の障害受容という概念の創始から、意識の変容過程について幾つかの代表的な段階説のお話がありました。具体例として仮説モデルをグラフ化した図も表示され、保護者の心理がどのように変わっていくのか、また現時点ではどの段階にあるのかを考えさせられる内容でした。後半は、子どもとの向き合い方や子育ての姿勢についての話から時間展望の観点からみた心理学諸理論への展開があり、更に話に引き込まれていく内容でした。人間性心理学での他者理解や捉え方について学ぶことができ、参加者からは「クラス、学年で共有して、保護者へのアプローチを考えていきます」等の感想があがっていました。
【講座3】 13:00~15:00
「体験、特支のプログラミング教育」
講師:仲矢 史雄(大阪教育大学 教育イノベーションデザインセンター教授)
今回の講座ではタイトルの通り、プログラミング学習の教材の紹介やワークショップを中心とした内容で、特別支援学校で実施されているプログラミング教育を分かりやすく説明していただきました。特にアンプラグド型教材が目を引き、ロボット「トゥルートゥルー」に実際に触れて動かし、参加者も楽しんで取り組んでいました。またアンプラグド教材についてのメリットや課題についても説明があり、プログラミング的思考を十分に理解していないと、単に楽しい活動で終わってしまうという側面も押さえることができました。参加者からは「考え方、捉え方で勉強になりました」等の感想があがっていました。
【講座4】 13:00~15:00
「行動問題を抱える子どもに対する「行動の理由」を踏まえた支援」
講師:庭山 和貴(大阪教育大学 連合教職実践研究科准教授)
「行動原因」の捉え方や行動理解、望ましい行動を積極的に増やすアプローチについて具体的にお話して頂きました。子どもたちの困った行動を減らし、「望ましい行動を伸ばす」ためのステップについてひとつひとつ丁寧にお話して頂きました。望ましい行動を伸ばすためのポイントや強化の仕方(ポジティブ・フィードバック)、「困った行動」が見られた場合の対応などについても具体的にお話して頂きました。また、具体的な場面を動画で確認しながら、事例に即したワークも行い、参加者全員が考えながら取り組める機会もあり、これからの学校現場実践にいかせる研修となりました。
【講座5】 10:00~12:00
「新学習指導要領に基づく知的障害児への指導」
講師:今枝 史雄(大阪教育大学 特別支援教育部門講師)
知的障害児の定義を踏まえた理解からみえてくる支援について、具体的にお話して頂きました。新学習指導要領における育成すべき資質・能力とは何かを考える機会にもなりました。また、“思考力・判断力・表現力”の考え方の具体例をあげ説明して頂くことで、その人に合った指導・支援から「できる」ようになることを実感することができました。これまでの教育とこれからの教育の違いや授業づくりのポイント、目標と評価についてなど、様々な視点からお話して頂きました。「新学習指導要領の抽象的な文言を具体的に理解することができた」「特別支援学校の学習指導要領が今後どのようになるか教えて頂きたい」等の感想や質問があがり、参加者がじっくり向き合うことのできる研修となりました。
【講座6】 10:00~12:00
「知的障害のある子どもへの読み書き指導―実践例―」
講師:白樫 麻紀(附属特別支援学校 相談・支援センター指導教諭)
小学校支援学級担当者へのアンケート調査から、先生方の指導の悩みや困り感に答える内容で、「読める・書ける」とはどういうことか、読み書きに関わる認知機能の発達、指導例の紹介などを具体例も多く交えてお話しいただきました。アセスメントに用いる発達検査や、学習レディネスを高める遊びの紹介や、すぐに実践に取り入れることができそうなものがたくさんありました。指導している動画で、実際の児童とのやり取りやことばかけ等を確認することができ、参加者からは「映像なども使って実践例をいくつも紹介していただき、早速取り入れてみたい」等の感想があがっていました。
【講座7】 13:00~15:00
「支援を必要とする子どもたちの授業づくり-授業のポイントを具体的に考える-」
講師:森田 安徳(附属特別支援学校 相談・支援センターアドバイザー)
授業作成方法、学習活動の課題分析、授業の構造化についてなど、授業づくりにおけるポイントをお話して頂きました。指導案の項目ごとの記述方法についても具体例をあげながらひとつひとつ丁寧に説明して頂きました。また、子どもたちの様子を観察することで見えてきた経験談をもとに、様々な支援方法や子どもが分かって動ける授業に必要な環境づくりなど、具体的にどのようにすればよいかを教えて頂くこともできました。参加者からは「実践例をいくつも紹介していただき、早速取り入れてみたい」等の感想があがっていました。他にも、自発性を育てる指導方法や評価方法など、これからの授業作りにいかせる研修となりました。
【講座8】 13:00~15:00
「ポストコロナにおける知的障害児への指導・支援の在り方」
講師:岩﨑 弘(附属特別支援学校 相談・支援センター主幹教諭 / 大阪教育大学連合教職実践研究科講師)
これまでの社会情勢の中での特別支援教育の在り方から、現在のコロナ禍における特別支援教育の大切さをお話いただきました。前半は全国の特別支援学校や寄宿舎におけるコロナ禍での実態を調査した結果がグラフで示され、児童生徒・支援者・教員が感じているストレスや体調面の変化等を知ることができ、改めて現状の厳しさを感じる内容でした。後半はICT活用、構造化、支援の在り方、地域との協働などあらゆる面での特別支援教育との繋がりを意識させられる内容で、社会に開かれた教育課程をつくるために大切なことや、まとめで話された「コロナだからできない、仕方ないにはならないように!」の言葉が印象に残る講座でした。