教科のお知らせ

【2024年度】総合的な探究の時間(1年生)-活動記録(69期生)

2024年度実施の総合的な探究の時間の授業実践をご紹介いたします。

総合的な探究の時間の授業の概要と、各回の授業の様子、生徒の活動の様子をお伝えします。 

(最新更新日:2024.6.14)

 

 

授業の概要

「総合的な探究の時間」の授業概要をお伝えいたします。

  • 対象:1年生全員164名(本校69期生)
  • 日時:毎週金曜日1コマ(50分間)
  • 指導者:教員 6名

※年間計画表は シラバス「総合的な探究の時間Ⅰ」(69期) です。

 

指導目標

身近なところと世界で起きている諸問題・諸課題の関係性に気づき、それらの解決について取り組む中で、自己のあり方や生き方について自らの考えを見つめることができる。

また、現代の社会課題を発見し、より良い社会の実現に向けて探究活動に取り組むことを通して、平和で調和あるグローバル社会の創造を探究する資質・能力を育成する。  

  1. 教科連携による横断的な学習や外部講師等からの学びを通じて、各教科で獲得した知識・技能が社会で活かされていることを理解し、探究活動を通して実社会で活かせる 知識・技能・考え方を身につける。
  2. グループ探究を通して、自分の考え方や価値観に気づき、異なる視点にふれる中で、 様々な考え方を受け入れる寛容な態度を育成する。
  3. ユネスコ国際教育の理念に基づき、人間の尊厳・平等を尊重し、持続可能な社会を実現するための態度を育てる。参加型・講演会・グループ探究・プレゼンテーションや論文など、学習課題に応じて多様な学習・発表形態を用いる。

 

評価の観点

  1. 教科学習及び総合的な探究の時間で習得する知識・技能が相互に関連づけられ、探究活動の中で活用することができる。 また、現代社会の諸課題について、自己の関心をもとに課題を設定することができる。
  2. 自ら設定した課題の解決に向けて、他者と協働しながら探究方法を考案し、実践することができる。また、探究の成果をもとに他者に自分の考えを適切な方法で伝えることができる。
  3. 自己・他者・社会とのつながりを意識しながら、見通しをもって粘り強く課題解決に向けて取り組むことができる。また、学習を通して自己を見直すことができる。  

 

授業の実践内容

 

【第1回】探究についてのガイダンス

探究について

探究の授業について探究と卒業後の人生を関連づけ、3年間の全体像を掴んだ上でこの1年間の見通しについてガイダンスを行いました。

「探究するとはどういうことか?」「探究と社会の関わり」「正解がある問題は学校外にはない」ことを学びました。

また、探究的な学習の流れの説明がありました。(①課題の設定→②情報の収集→③整理・分析→④まとめ・表現)

身の周りにはスケールの大きいものから小さいものまで問いがあふれていることを生徒たちは知りました。  

日付:2024年4月19日(金)

 

【第2回】研修合宿事前学習

L.H.R.の時間に引き続き、5月の研修合宿の事前学習と、探究学習のコラボレーション授業です。研修合宿で訪問するNPO法人の施設について調べていきます。

 

映像資料で琵琶湖の環境問題について知る

研修合宿の背景にある琵琶湖の環境問題。どのような問題があるかをペアで話し合った後、映像資料を視聴し、1970年代からの水質汚染の原因と、琵琶湖の水質を良くする取り組みが続けられていることを学びます。

 

NPO(愛のまちエコ倶楽部)の取り組みのいいところをみつけよう

ここからはペアワークです。まずは、NPO法人「愛のまちエコ倶楽部」の取り組みのいいところを列挙していきます。次に、それらを分類して抽象化していきます。Jamboardを使用します。

 

施設で注目して見たいところ、施設の方に質問したいこと

全体での共有を終えたら、研修合宿で施設を訪問した際に、注目して見たいところや施設の方に質問したいことを考えました。  

 

日付:4月26日(金)

   

【第3回】研修合宿事後学習・講演会事前学習

前半は研修合宿で訪問した針江生水の里・あいとうマーガレットステーションでフィールドワークを行った内容についての事後学習を行いました。

 

フィールドワークを振り返る

 後半は、次回に予定されている講演会に向けての事前学習を行いました。国境なき医師団に所属されている、本校卒業生でもある團野桂先生にお越しいただく予定です。

事前学習として、米国の人種差別問題・日本の性差別問題・国境なき医師団の差別問題・Unconscious bias・Micro-aggression・Diversity, Equity, and Inclusion (DEI)・Political correctness などについて調べ・まとめました。  

 

事前学習の様子

日付:5月10日(金)

 

【第4回】外部講師講演会

国境なき医師団 團野 桂 先生 講演会

前半は民間からの寄付で運営していること、現地スタッフや医薬品の流通、財務運営のスタッフなど非医療スタッフが半数以上で構成されていること等国境なき医師団の活動の概要についてお話されました。

ナイジェリアの不確実で不安な出産の現状を病院・診療所での分娩率と妊産婦死亡率と新生児死亡率の関係と理想と現実の違いを例に紹介されました。

ナイジェリア人と日本人の共通点からある国で起こることは他の国でも起こり得るという見方・考え方について学びました。さらに世界各国の方と関わっていく中で黒人差別と性差別、アンコンシャス・バイアス、Political correctionについて紹介されました。

後半はグループで「Discriminationを乗り越えた先にあるDEIは、どこまで実現されるべきでしょうか?」について議論をおこないました。

高校生らしい自由な発想での意見が複数挙がりました。世界的な課題について考えるきっかけとなりました。

日付:2024年5月17日(金)

 

【第5回】情報の集め方

本日は「情報の集め方」について学習しました。

まずインターネットによる情報の集め方について、実際に検索して結果を他者と共有することで検索方法による情報の差について認識しました。

調べる対象に応じて適切に検索ワードを選択する大切さ・辿り着いた情報源によって情報の信憑性が異なること・データベースの種類などについて触れ、先行研究(書籍・論文)の検索方法、収集した情報の整理・蓄積方法などについても学習しました。

 

日付:2024年5月23日(木)

 

【第6回】外部講師講演会

講演:探究の方法(大阪教育大学 安松健先生)

本日は大阪教育大学の安松健先生にお越しいただいて、これから探究を進めていく1年生に向けて、探究の方法をご講演いただきました。  

探究テーマは身近にあること、身近にある「?」を大切にすること、欲しいもの(ゴール)が分かっていてそれを探しに行くのではなく、何がどこにあるか分からない状態で歩き回るイメージ、情報を「敢えて」整理せず(既存の枠にはめて分類せず)、自然と結合するように泳がせておくことなど、普段の学習などとは思考を切り替える必要性・重要性などをご講義いただきました。  

日付:2024年6月7日(金)

 

【第7回】探究を知るワーク

前半はグループに別れて中学校での探究内容を各自で紹介し、中学校の探究の経験を整理して自分の興味関心に気付く・再認識しました。

後半は認定NPO法人Homedoorでホームレス問題に取り組んでおられる川口加奈さんの講演動画をきっかけに貧困問題について学習しました。

日付:2024年6月14日(金)

探究活動は、まだまだ続きます。


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