生命論~国立ハンセン病療養所 岡山 愛生園研修
2022年7月19日(火)
「生命論」選択者 3年生16名がハンセン病の研修のため、岡山県長島の愛生園を訪問しました。まず、学芸員の田村朋久さんからハンセン病についての全般的な説明をしていただき、その後、各自で歴史館の展示物を見学しました。当日は雨でしたが、田村さんの案内で、現存している患者収容桟橋、回春寮(収容所)、監房、納骨堂を見学しました。さらに、田村さんから「ハンセン病から学べること」についての講義と質問にお答えいただきました。
当日は、あいにく雨でしたが、とても有意義な学習となりました。
長時間ご対応いただきました田村さんに感謝申し上げます。
また本研修には、保護者2名も参加していただきました。ありがとうございました。
(愛生園歴史館 http://www.aisei-rekishikan.jp/)
以下は参加した生徒の感想です。
ハンセン病の患者の方々がどのような経緯でこの長島愛生園に移され、どのように過ごし、どのようなことを経験したかを学んだ。その中でも心に残っていることが2つある。
1つ目が授業の一環として行われていた「嘘をつくのための授業(長島愛生園で生きていたことを隠すための授業)」だ。ハンセン病が治っても長島愛生園の高校に通ったということだけで、差別の対象になりかねなかった。もちろん「ハンセン病は感染力低いねん。大丈夫や」とちゃんと説明してその人を納得させればいいが、そうすることは多くのエネルギーを使うことになる。そこでこのような授業が行われていたと仰っていた。ただ生活していて、たまたまハンセン病になった。それだけのことで、社会で生きるためには嘘をつかないといけないということを考えると本当に辛いことだったのだろうなと強く感じた。
2つ目は帰る場所がないということだ。ハンセン病が治ったとしても、家族を差別から守るために関係を断った方も多くいた。そのため、いざ社会復帰となっても帰る場所がないのだ。多くの患者が帰る場所がないので「らい予防法」の中身は変えてほしいが、その法律自体がなくなり長島愛生園がなくなることは避けたかったという。自分を制限している法律が、生活している間に自分になくてはならない法律になる。とても考えさせられるものがあったように思う。患者の方々を苦しめた差別や排除はすべて誤解から生まれている。最後のお話にあった通り、このことはコロナにも当てはまる。
僕も友達が、コロナが治り、学校に来たとき(コロナの流行り始めだった頃のことです)治っているとはわかっていても、どこか話すのが怖かった。その時ちょっとだけその友達と話す機会を減らしてしまった。(本当にごめんなさいm(_ _)m)もちろん今では気にせずたくさん話しているが、こういう行為も差別の一つなんだろうなと思った。自分が差別する側にまわらないためにも、自分の身を守るためにも関心を持ち続けることを大切にしていきたい。