大阪教育大学附属天王寺中学校の
ページへ

豊かな心と
自主・自立の精神をここに…

高校ホーム ≫ 入学案内 ≫ 卒業生からのメッセージ

卒業生からのメッセージ

 

卒業生が語る、本校の魅力

「附高生の姿」

64期 F・Kさん(大阪大学 医学部医学科)

 「自分と向き合える場所」 附高はそんな学校です。自分がどんな人間で、何が好きで、高校3年間でどう成長していくのか。簡単なようで難しいこの問いを、附高生は自ら解決していくのです。附高は、自治が盛んであることやⅡ年生まで文理を問わず全員が同じ科目を学ぶカリキュラムであることなど、一般的な高校と異なる部分がたくさんあり、それにより生徒は自主的に学び、そして自らの強みを見つけていくことができます。また、附高は、学力やスポーツのNo.1を決めることを重視する雰囲気ではありません。さまざまな個性が混ざり合いそれを容認する雰囲気があるからこそ、他者にはないonly oneの強みを見つけられます。実際、私の同級生を見ていると、課外活動が好きな人は大学主催のワークショップにたくさん参加していたり、音楽が好きな人は音祭という行事の有志枠でみんなの前で演奏したり、美術が好きな人は学園祭で模擬店の内装作りを指揮したりしていました。もちろん、行事等の参加は必要最低限に抑え、Ⅰ年生のうちから志望校を目指して全力で勉強する人も、部活に精を出す人も多くいました。このように様々な同級生がいましたが、ひとつ言えることは、彼らはそれぞれのタイミングで意を決し、自ら行動を起こして目標に辿り着こうとしていた、ということです。私たちはあらかじめ用意されたレールに乗って流されてしまいがちで、彼らのように自ら行動することは簡単ではありません。私もⅠ年生の時は自分からイベントや有志活動に参加することをためらっていました。しかし、附高は、初めて赴任した先生が驚くほど、先生の手ではなく生徒の手で行事や部活、学校運営がなされています。その環境下で徐々に強みを発揮していく同級生に刺激を受け、自分に出来ることをやってみようと思えました。附高には、新しい一面や意外な挑戦を笑う人はいません。むしろ互いを尊敬し、同級生の挑戦を応援してくれる雰囲気があるのです。人の成長に周囲が与える影響は大きい、とよく言われますが、附高は自分と向き合い、そして自分を律していくために最適な環境だと思います。まだ自分に何が出来るのか、はっきりと言葉に出来なくても大丈夫です。附高という場所で色々な体験をし、刺激を受け、仲間と懸命に生きる中で、何か自分の誇れることが見えてくると思います。ぜひ附高で学び、自分と向き合ってみてほしいと思います。

 

「附高での成長」

64期 K・Rさん(東京大学 文科一類)

 附高は、常に変化し続け多様性や創造性が求められる現代社会を生き抜くうえで必要な力を、自分なりにたくさん吸収し身につけることが出来る場所です。そして、自由な環境の下、まだ何者にもなれる自分という存在をどこまでも成長させられます。
 まず、附高の授業では、物事の本質を捉えていく様々な経験を通して、知ることの楽しさを心から感じることが出来ます。文学作品の一文を、時代背景や作者の生い立ちも調査して徹底的に考察したり、大学や企業の研究現場で使われる電子顕微鏡を借りて菌の観察を行ったり、教科書の英文にとどまらず出典元の文献や関連する論文を精読したり、一年をかけてクラシックの名曲の合唱を練習したり。授業外でも、私が取り組んだSSHの研究では、自らで問いをたて、実際に大学の教授とメールのやりとりをして学びを深めていきました。附高では「本物」の経験を通して、自分の興味ある事柄をとことんまで突き詰めることができます。また、高校三年間で社会5科目と理科4科目のすべてを学ぶので、文理や教科の枠をこえて事象がつながっていくことを発見したとき、より学問の面白さを感じ、深い教養を身につけることが出来ます。このように、様々な活動を通して、学校の域を超えても、自分で物事を探求し理解する力を養うことが出来るのです。
 そして、附高での学びの真骨頂はむしろ授業外にあります。行事運営をはじめとする自治会活動がその最たるものでしょう。行事の理念決定、使用するホールとの打ち合わせ、運営する上でのルール作りなどすべて生徒主体の有志や委員会で行い、その内容を自治会で議論することでよりよいものを創り上げていきます。もちろんその過程では衝突もあります。実際、私が附高三大行事の一つである音祭の有志代表や実行委員長を務めた際には、コロナ禍ということで学校やホールから様々な制約・ガイドラインを提示され、その中でいかに理想とするもの、皆が楽しめるものを創れるだろうかと毎日議論しました。また、感染対策のため、ルールを厳しくしたことでクラス側と衝突し、お互い譲れない信念がある中で、相手の意見を尊重し、話し合うことで、その解決を図っていきました。主体的に物事を創り上げていくという過程には大きな困難や壁が必ず立ちはだかります。しかし、これらを乗り越えた経験は何にも代えがたい非常に価値あるものです。社会の一員として、そして人間として大きく成長できたと私は心から思っています。
 このように附高には自分自身を成長させられる種があちらこちらに落ちています。自分たちで興味のあることに主体的に取り組める自由な環境だからこそ、その種を拾い挑戦することで何回りも成長できるのです。そして、附高にはともに進み、かけがえのない経験をさせてくれる仲間が集まっています。附高ほど何かに挑戦したい人にとって人も環境も恵まれた場所はないでしょう。ぜひ附高に入学し、皆さんには様々な経験をしていただきたいです。