令和6年度「科学のもり」生徒研究発表会
2024年12月14日(土)
本校のSSH研究開発プログラムである「科学のもり」の生徒研究発表会が開かれました。日頃の課題研究の成果を、口頭やポスターで発表しあいました。 午前は「化学・地学」、「数学・情報」、「物理・生物」、「生命論・環境論」の四つの分科会に分かれて口頭発表を行いました。午後は附属池田校舎、平野校舎が行っているWWL(高校生国際会議)の生徒研究班と合同でポスターセッションを実施しました。口頭発表、ポスターセッションでは高槻高校や附属天王寺中学校、池田校舎、平野校舎や府立千里高校に招待発表として参加いただきました。以下は「生命論・環境論」の分科会とポスターセッションに参加した生徒の振り返りです。
● 生徒による振り返り(こちらをクリック)
「生命論の授業の一環で、生命論選択者2~3人でのグループ研究を行った。動物実験について、クローンについて、自殺について等のように、おおまかに興味の近しい者同士でグループを組み、グループ内での話し合いを通してより詳細なテーマ設定を行った。私は1・2年生のとき、プルーフⅡを選択していた。プルーフⅡは、基本的に2年生1人、1年生2~3人で構成される班での研究であり、高2が研究テーマを考え、主導で研究計画を立て、班を引っ張る場合が多い。そのため、私にとって、同学年の友人と研究テーマに関して話し合い、グループの全員が納得できるようにテーマを設定することは非常に難しいことであり、大変苦労した。グループ研究の期間は9月~12月上旬と非常に短いうえ、各々大学受験の勉強が忙しい時期でもあるため、できる限り授業時間内で研究活動を効率的に進められるように工夫した。具体的には、研究目的を達成するうえで調査すべきことを初めにリストアップしておき、分担し、後日各々が得た知識等を共有したうえで議論を行うという形式にした。生命論のグループ研究で最も苦労したことは、研究目的として立てた問いに対しての考察をつくりあげることである。生命論で扱う問題の多くの答えは、数値で見えるようなものではなく、各々の生命倫理観に基づいた議論を通して形成されるものであり、正しい答えが存在するとは限らない。グループ内でも様々な意見が存在し、グループ全員が腑に落ちる考察へとすり合わせることが非常に難しかった。また、発表に関して最も苦労したことは、長時間にわたる議論を経て形成された主張をいかにして理解しやすいように伝えるかということである。発表時間約15分のなかで、どのように話せば考察に至るまでの思考の道筋を伝えるかということに注意を払いながらプレゼンテーションを組み立てた。生命論のグループ研究を通して、必ずしも正しいといえる答えが存在しない問いに取り組むことの大変さや、様々な意見をもつ人がいるなかで話し合いを通して最善であると考えられる答えを生み出すことの難しさを学ぶことができた。数多くの話し合いを通して、できる限り相手の考えを組み取ろうとする力や自分には理解できない考えを持つ人だとしても、その人の中では考えとして論理的にきちんと成り立っていることも多いという意識を得ることができたと思う」。(高校3年 E.M.)