中学校ホーム ≫ PTA活動 ≫ 活動予定・報告 ≫ 令和7年度 PTA公開講座(木村達哉先生による講演会) 

令和7年度 PTA公開講座(木村達哉先生による講演会) 


木村達哉先生による講演会

日 時:2025年11月1日(土)10:00~12:30

 澄んだ秋空の下、元灘高校・西大和学園英語教師の木村達哉先生をお迎えし、「なぜ勉強しなくてはならないか~英語の勉強法~」と題した講演会が開かれました。約110名の保護者と生徒の皆さんが参加されました。

 初めにPTA役員より木村先生のご紹介がありました。
木村先生は、関西学院大学卒業後、西大和学園で10年、灘校で23年間英語教師として教鞭を執られ、現在は大学教授として教壇に立たれながら、全国の学校や企業で講演や勉強会を開催し、福島や沖縄の教育支援などNPO活動にも尽力されています。著書は「東大英語リスニング」「新ユメタンシリーズ」など約100冊。ブログ「キムタツブログ」は3,000万アクセスを超え、YouTube「キムタツチャンネル」でも教育への思いを発信されています。先生はユーモアを交えてお話しくださり、会場は笑いに包まれながらも、深い学びの時間となりました。

 木村先生は、子どもの頃から本が大好きで、中学3年生のときに「作家になる」と決意されたそうです。そのご自身の経験からも、まずは「目標を見つけること」の大切さを強調されました。
「子どもが努力できるようになるためには、まず目標を見つけてあげることが大切です。勉強しなさいという言葉には意味がありません」と話され、どんな人生を生きるのか?どういう仕事をするのか?どれくらいの年収が欲しいのか?どうやってお金を稼ぐのか?を現実的に子ども自身にきちんと考えさせる重要性を語られました。

 先生は「人はなぜ勉強するのか」という問いに対し、
①幸せに生きるため、②誰かの役に立つため、③自分の能力がどこまで伸びるか試すため、の3つを挙げられました。
幸せに生きるためには「健康」「仲間」「お金」が欠かせないとし、「お金より大切なものはあるけれど、それを手に入れるにもお金がかかる。だからこそ、勉強で自分の能力を高め、単価の高い仕事に就くことが大切なのです」と語られました。
また、先生は、震災後福島で日本語と英語を教えるボランティアをされ、勉強することで人を幸せにすることができると話されました。
さらに先生は、せっかくこの地球に生まれてきたのだから、いろいろやってみようということで、ゴルフやウクレレ、三線、絵などを学ばれており、「できることを増やすには勉強する以外に方法はありません。英語もその一つです」と語られました。
そして最大のポイントは、何を、どこで学ぶのかを自分自身で決めること。子供たちは、自分の行きたい方向をある程度決めないと、適当に生きることになってしまうと話されました。

 そして、「AIがあるのに、なぜ英語を勉強するのか」という質問に対しては、「これから日本は人口が減少し、企業は海外と仕事ができる人を求める時代になります。子どもたちには英語を話せる力が必要になります」と話されました。

 後半は、灘校の英語の授業の様子を映像で見せていただき、実際に、先生の発音中心の英語の授業を参加者全員で体験しました。
一つ例をあげますと、“Do you have any change?” は分かりやすくカタカナに置き換えると「ジューベニチェインジ」と発音し、全員で何度も練習しました。

 英語の基本勉強法として、①音を暗記する ②英語を日本語にできる ③日本語を英語に戻せる、の3段階を教わりました。大切なのは、必ず音を覚えること、我流で発音しないこと、ひたすら発音すること、何回も読み込んで見なくても言えるようにすること、そして最終的には日本語を見ながら英語に直せるところまでやること。 さらに、英単語の暗記は必ず文で覚えることが重要で、単語だけで覚えないことを強調されました。

 最後に先生は、生徒の皆さんに向けて、「幸せに生きてください。何年かたってもしも愛する人ができたら、その家族を大切にしながら、全員が幸せに生きられる程度のお金を稼ぎ、余ったお金は困っている人のために使える人になってほしい。そうすれば神様も褒めてくれます。ぜひ神様からの贈り物を受け取れる人間になってほしい」と温かいメッセージをくださいました。

 終わりに、PTA会長より「木村先生の素晴らしいご講演と、録音・録画を快く許可してくださったご厚意に感謝します。本日の内容をぜひ子どもたちにも聞かせてあげてください」とご挨拶がありました。

 今回の講演を通して、勉強の本当の目的や、英語を学ぶ意味、そして幸せに生きることについて深く考えさせられました。 講演後も多くの保護者が笑顔で感想を語り合う姿が見られ、充実したひとときとなりました。
木村先生、心に残るお話を本当にありがとうございました。

 講演会を開催するにあたり、ご準備いただきました中学校PTA役員の皆さまをはじめとした保護者の有志サポーターの皆さま、先生方、ご参加いただきました保護者の皆さまにも心より感謝申し上げます。           

文責:中学PTA広報委員会

  • 木村達哉先生の講演会 パネルは美術部の力作です