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令和5年度 77期学級委員会主催講演会 

2023年12月15日(金)10:00~11:30 本校小講堂にて

 冬とは思えない暖かい日となった12月15日(金)、77期学級委員主催による小西校長先生、廣瀬副校長先生の講演会が開催され、保護者42名が参加しました。講演の内容を簡単にご紹介します。

「地球環境を観測する窓・南極観測」―南極観測って何?―
講師:小西 啓之先生(大阪教育大学教授、附属高校天王寺校舎主任・附属天王寺中学校長)

 小西先生は1988年~1990年に第30次南極観測隊・越冬隊、2016年~2017年に第58次南極観測隊・夏隊に参加され、昭和基地で降雪観測に従事されました。講演では南極観測隊の裏側などを写真や映像を交えて、詳しくご説明いただきました。南極はとても空気が綺麗で、季節の変化もなく、地球から流れてくる二酸化炭素の計測等に最適な環境だそうです。会場には実際に南極より持ち帰られた貴重な氷を展示いただき、参加者は触れることができました。氷は積もった雪が圧縮されたもので、中に含まれる空気(気泡)は、約1万年前のものかもしれないという「浪漫」を感じました。 昭和基地の食品庫や、オーロラ、ブリザードなどの写真や動画も紹介いただきました。とくに砕氷船「しらせ」が1メートル以上の厚さの氷を砕いて進む動画は、音声にも臨場感があり、圧倒されました。また、人間の膝丈ほどのペンギンが船に寄ってくる動画はとても可愛かったです。遠い地である南極が、実体験に基づくお話と映像で身近に感じられた本当に貴重な時間でした。小西先生は本校26期卒業生であり、在学中に登山や自然観測等の行事を経て、「本物の自然を見てみたい」「南極へ行く!」と高校生の時に決意されたそうです。子どもたちにも恵まれた教育環境の中で大志を抱いて欲しいと思いました。

「親御さんとして勇気をもっていただく為に」
講師:廣瀬明浩先生(大阪教育大学附属天王寺中学副校長)

 廣瀬先生には、親と子も人間関係は多体問題であるとの前提で、ご自身の経験も交えながらお話いただきました。刺胞動物「ヒドラ」と「人」を例えに、ヒドラ型の【それぞれの神経節が独自に判断して個体を維持する・損傷しても個体は維持される・再生が可能】といった特性と、人型の特性【複雑な行動や思考ができる・中枢に損傷が生じると致命的・神経は再生されない】とを比較しました。「ヒドラ型か人型、どちらになりたいか?」と生徒にたずねることもあるそうです。廣瀬先生は、附中生にはヒドラ型を目指してほしいと思っているとのこと。自分の頭で考え、判断し、行動できる人になってほしい、そして保護者は、学びで違う人間に変化していくことを子どもと一緒に楽しみましょう、とお話されました。その中で「変化していくスピードが大きすぎると親は不安になる」というお話には、日々目覚ましく成長している子どもたちを前にすれば、心配が尽きないのも当然なのだと思えました。廣瀬先生の担任教師の頃や、子育て中のお話もあり、私たち保護者にとって共感と同時に、心強く励まされる内容でした。

 学期末のお忙しい合間を縫って講演を引き受けていただいた小西先生、廣瀬先生に心より感謝申し上げます。また、主催してくださった学級委員の皆さま、参加いただいた保護者の皆さまにもお礼申し上げます。

文責:中学PTA広報委員会

  • 印南先生のご挨拶で始まりました