地域探究部「校外学習」
2023年8月28日(月)
地域について「知る」ことを大切にしている地域探究部では、夏休み中に校外学習を行い、カップヌードルミュージアムに行きました。
安藤百福についてはもちろん、オリジナルのカップ麺作りを通して、安藤百福の考案した逆転の発想を体験することもできました。
以下、生徒の感想です。
【感想①】
学んだことのひとつは、「身近なものであるからこそ目を向ける」ということの重要さです。インスタント麺をはじめとした普段の生活に密接に関わってくるものは、すぐ身近にあるが故に、深く考えて使ったり食べたりすることはあまり無いと思います。私自身も、身近にあるものの起源や開発について考えたことはあまりありませんでした。ですが、カップヌードルミュージアムにいくことで、カップヌードルやチキンラーメンの開発過程について学ぶことができ、他の身近なものについて考えるきっかけとなりました。今当たり前のように使っているものは簡単につくられたのではなく、そこには開発者の苦労やひらめきが込められていることに気づき、普段から色んなものを見て、インスピレーションを得ることが大切だと感じました。「地域に隠された魅力」にも気づきました。自分の住む場所で生まれたものや、身近な地域の魅力についても考えることは少ないです。今回は、チキンラーメンやカップヌードルが自分達の住む地域である大阪で発明されたことや、その誕生秘話や過程について学ぶことができました。また、現在、なにわの伝統野菜である芽紫蘇を育てたりしていることから、大阪について考えることは部活の中で大きなテーマになっていました。そんな中で、知らなかったカップヌードルの発祥について学ぶことができ、地域の魅力を改めて考える機会となったため、とても貴重な時間だったと感じました。
【感想②】
安藤百福がチキンラーメンを開発するに至ったのは戦争中のラーメンの配給の様子を見たことが深く関係しているそうだ。彼は「まずはおなかいっぱいたべることだ、そうすればきっと心も豊かになる」と考えた。そのきっかけから彼は“お湯があれば家庭ですぐに食べられるラーメン”の開発を始めたのだった。私はこれを知った時とても驚いた。第一に、戦争直後のほとんどの人が生活に苦しさを感じているときに、「世の中」をもっと良くしたいと考えたことだ。とにかく生きるしかない。そんなときにラーメンのために並ぶ行列を見ても「空腹だ、早く食べたい」ということしか考えられない。おそらくそれらが頭の中でループして、どうしたらもっと明るい世の中にできるのか、なんて思いもしないと思う。その考えに至った彼に私は驚きと感動で包まれた。
【感想③】
歴史を知る中で、特に印象に残ったのは、創業者である安藤百福の食に対する精神である、「食創為世(しょくそういせい)」という言葉だ。これは、お金儲けをする為ではなく、世の中の為に食を創る、という意味の言葉である。チキンラーメンを開発することになったのも、戦争で焼け野原と化し、栄養失調になった人々を見て、お腹がいっぱいになれば心も豊かになると考えたことがきっかけだという。食創為世という精神は、インスタントラーメン産業を育てようと特許を公開したり、飢えに苦しむ人々へインスタントラーメンを寄付したり、という行動にも表れている。お金儲けよりも先に、世の中が今必要としていることは何なのかということを考えているからこそ、世の中に愛され、かつ美味しい商品を作ることができるのだろう。このような精神を持ち、日本だけでなく世界からも愛される食品が、私の生まれ育った大阪で生まれたということを誇りに思う。
普段の活動の中では、コンテストに応募したり、部活内で発表をしたりと、調べたことを伝えるという機会が多いが、校外学習は、地域について知らなかったことを知るという機会である。そのため、地域の知らなかったことや、普段何気なく触れているものの新たな一面などを知り、新しい見方を得る、ということは校外学習の意義の一つなのではないかと思う。その中で、今回の校外学習で新たに地域について学んだことを活かし、地域の理解を深めるという活動に繋げていきたいと思った。
【マイカップヌードルづくりの様子】