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豊かな心と
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卒業生からのメッセージ

 

卒業生が語る、本校の魅力

「誇りある自由と規律」

66期 K・Hさん(東京大学 文科Ⅰ類)

 「誇りある自由と規律」これは附高校歌の歌詞の一部です。ここでの自由とは、規律とはどのような意味でしょうか。
 一般的に、附高は髪型やメイク、持ち物などに制限がなく「自由」であると言われます。制限がない背景には、どんな外見の人も先入観を持たずに判断するという附高生の寛容さがあります。しかし真の自由は自治会行事などの生徒の自主性にあると思います。自治会行事は本当に一から生徒が作り上げます。このことには他の学校とは違う、圧倒的な「自由」があります。まず行事をするのかどうかから話し合います。するのであれば、いつ、どこで何をするのか。私の関わった附高祭では理念や個々の企画の目的だけでなく、何日間やるのか、感染症対策までも全て生徒が立案していました。時には学校外の組織との連携や金銭の管理も生徒の仕事に含まれます。高校生が大人の手をほとんど借りずに自分たちだけで行うのは非常に大変なことです。多くの時間や手間のかかる附高の自治会行事ですがその達成感は何にも代えがたいものがあります。そして友人の普段見ることのない一面に出会いお互いを深く知るいい機会になるはずです。学習に関しても生徒の興味を最大限尊重するという意味で「自由」です。1、2年生の間は本当にたくさんの科目を学び、各授業で興味深い内容が展開されます。教科書の内容に留まらず素朴な疑問を探求します。他教科との横断授業もあり学問の楽しさや幅広さを学べます。3年生ではそれまでの学習をもとに進路や興味を考慮して科目を選択します。実際に私は文系ですが高校で学んでおくべきだと考え3年生でも化学と生物を選択しました。他にも経済学を大学で学ぶために高校から数学Ⅲを選択する文系の生徒がいたりと本当に自由です。
 このように附高に自由があるのは附高生の「規律」があってこそです。行事を行う際には生徒議会での原案の可決が必要ですし自治会の会則の改訂には生徒総会が必要です。これらは自由を謳歌するだけではなく、自分たちで「自治」という自由を守っていくためにあります。生徒議会に出席する生徒は、先代の生徒が決めた服飾規定や議事基本法を継承していくという使命を持っています。そのため行事の原案の審議では理念一つを何時間もかけて議論することがあります。時には「自治」とは、「行事」とは、といった抽象的な内容の話し合いも行われます。毎日が慌ただしく過ぎる中でこんな議論が誰とでもできるのは附高の魅力です。
 ぜひ附高に入学して「誇りある自由と規律」を担う附高生活を送ってみませんか。あなたなりの「自由と規律」を附高生活の中で考えていただきたいです。

 

「かけがえのない経験を大切に」

64期 I・Mさん(京都大学 理学部)

 皆さんは附高で行える活動で何を楽しみにしていますか?附高には様々な科目の授業があり、行事も自分たちで企画して運営することができます。それらの経験を通して私からは特に自分の身になったと考える経験について二つお話ししたいと思います。
 一つ目は、授業で教科同士の関連について様々な発見があったということです。私が1年生のとき、オウムアムアという小惑星について、英語、数学、物理、地学、音楽で特別授業が行われました。英語の授業でオウムアムアに関する説明文を読んだ後、数学と物理ではその運動に関する考察を行い、地学では実際の観測データを元にそれを構成している物質を推定、音楽では天体を題材にした楽曲を鑑賞したことを覚えています。当時私は、一つの事象に対してこれほど多くの視点から考察ができることに驚嘆しました。附高では2年生の終わりまで全員が同じ科目を履修し、3年生においても文系理系の区別なく自由に科目を選択することができます。様々な学問を幅広く学ぶうちに、その知識や考え方で思いもよらぬ発見があるはずです。皆さんも附高の授業で、教科を横断した科目同士の関わりの面白さを見つけてほしいと思います。
 二つ目は自治会活動に際して、できるだけ多くの人に受け入れられる工夫をして計画を立てる機会があったということです。私は1、2年生のときに百粁徒歩有志に参加しており、3月に約50kmの行程を一晩かけて歩く百粁徒歩という行事を企画していました。歩くコースの選定には毎年4月から下見を繰り返し、充分な広さの休憩場所があるか、迷いやすい場所はどこか、景色の見どころはどこか、などの情報を集めていきました。参加者の体力は様々であり、天候など当日にならなければ分からない要素も勘案して行程表を作るのは本当に大変でした。また、代表委員会での審議では有志外の人に行事の意義を問われるため、有志で考えた行事の目的に実際のルートが合致していることを説明する必要もありました。しかし、これらを経て作りあげた行事は紛れもなく自分たちのものであり、ゴール地点で皆の疲れ切りながらも達成感のある表情を見たときの喜びはひとしおでした。
 このように附高ではここでしかできないかけがえのない経験ができると私は考えています。皆さんが附高に入学した暁には、失敗を恐れず様々なことに挑戦してほしいと思います。