令和8年度PTA文化講座1
練り切り体験会
⽇ 時:令和8年9月5日(土)
場 所:大阪教育大学天王寺キャンパス西館講義室A
講 師:《吉乃屋松原》店主 中西信治様
参加者:41名(保護者39名、教員2名)
9月5日、前週に開催された附高祭の余韻がまだ残る中、PTA文化委員主催のPTA文化講座「練り切り体験会」が開催されました。保護者、先生方を合わせて総勢41名が参加し、普段なかなか体験することのない和菓子作りへの関心の高さがうかがわれました。
講師の中西先生は、松原市の「御菓子司吉乃屋松原」の店主で、全国菓子大博覧会などで数々の賞を受賞されている和菓子職人です。また、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』では、劇中に登場する和菓子の指導・監修を担当されました。現在も講演やワークショップを通じて、和菓子文化の魅力を精力的に伝えておられます。
はじめに、中西先生から「練り切り」について紹介していただきました。練り切りは、和菓子の中でも「上生菓子(じょうなまがし)」と呼ばれ、四季折々の草花や季節の移ろいを、美しい色や形で表現する伝統的な和菓子です。古くから日本の伝統的な高級和菓子として、お茶席やお祝いの席などで親しまれてきたそうです。
練り切りは、白あんに山芋などのつなぎを加えて練り上げて作られます。今回使用する材料についても、中西先生ならではのこだわりを教えていただきました。
白あんには「手亡豆(てぼうまめ)」という小粒のいんげん豆を使用し、3時間かけて炊き上げるそうです。さらに練り切り用のあんに仕上げるためには、そこからさらに2時間。合計5時間もの時間をかけて、丁寧に炊き上げられています。
また、練り切りを扱うお店の中には山芋を使用しないところもあるそうですが、中西先生は、山芋を加えることで風味が増し、より美味しくなるため、手間暇がかかっても使用されているそうです。そのような材料へのこだわりからも、和菓子職人としての思いが感じられました。
練り切りについて教えていただいたところで、いよいよ実際の練り切り作りへ。今回作ったのは秋にちなんだ3種類の練り切り「イチョウ」「萩」「菊」です。まずは中西先生が一つずつ作り方を実演し、その後、参加者も同じ練り切り作りに挑戦しました。先生の手元には皆さんの熱い視線が集まり、美しい練り切りが出来上がるたびに、会場からは感嘆の声が上がっていました。
練り切りの美しい色合いを表現するため、色の異なるあんを組み合わせる「ぼかし」という技法が用いられます。イチョウには「貼りぼかし」、萩には「内ぼかし」、菊には「包みぼかし」と、それぞれの意匠に合わせた技法を使うことで、美しい色の濃淡と繊細なグラデーションが生まれます。
先生の実演を見ながら、参加者も一つずつ練り切り作りに挑戦しました。用意してくださった道具と材料を使って作り始めたものの、なかなか先生のようにはうまくいきません。それでも、一つ、二つと作るうちに少しずつコツをつかみ、三つ目を作る頃には練り切りらしい仕上がりになっていきました。終始笑顔で参加者に寄り添いながら指導してくださる中西先生のもと、参加者の皆さんも和やかな雰囲気の中で、練り切り作りを楽しんでいました。
中西先生は、「和菓子職人が100人いれば、100通りの形ができる」とおっしゃっていました。その言葉どおり、完成した作品は一つひとつ表情が異なり、どれもその人らしさが感じられる素敵なものになったのではないでしょうか。
参加された方にお話を伺うと、「練り切りを作ったことがないので、ぜひ一度作ってみたかった」「和菓子を作ったことはあるけれど、練り切りは初めて。もともと練り切りが好きなので参加した」といった声も聞かれました。今回の体験会が、多くの方にとって新しいことに挑戦する機会となったようです。
講座の後は、吉乃屋松原のお菓子「一菓一笑」をいただきながら、班ごとに茶話会の時間がもたれました。講座の感想や子どもたちの学校生活についてなど、学年を超えて話に花が咲きました。「一菓一笑」という名前のとおり、会場のあちらこちらで笑い声が弾む、楽しいひとときとなりました。
今回の練り切り体験会のために、材料や道具の準備からご尽力くださった中西先生、そして企画から当日の準備、開催に携わってくださった文化委員の皆様に、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
文責:PTA広報委員












