本校の研究

本校の研究の紹介です。

本校の研究

研究開発学校

(2024(令和6)年度より)

未来の社会を創り出す子どもを育てる概念ベースの探究カリキュラム開発

〜資質・能力と評価の明確化〜

これまでの未来そうぞう科に代わって,2024年度から新たに未来探究科への取り組みを始めました.未来そうぞう科は,2016年度以来2019年度までは研究開発学校として,その後2023年度までは教育課程特例校として,取り組んでまいりました.2024年度からは,再び研究開発学校として,未来探究科への取り組みを始めます.

新教科「未来探究科」を創設し,探究的な学びの中で持続可能な社会の創り手となるための資質・能力を育成するとともに,各教科の学習を統合・横断したカリキュラム・マネジメントで教育課程全体を再編することを目的とする教育課程に関する研究開発に取り組みます.
平和で,公正で,持続可能な社会の構築のためには,VUCA(予測困難で不確実,複雑で曖昧)社会への対応ができるとともに,自身も社会の一員としての自覚をもってより良い未来を思い描き,その実現に向けて能動的にアプローチし続けることができる資質・能力が必要です.一方で,学校教育では,社会的な要請から数え切れないほどの新しい学習内容が登場し,既存の学習内容に追加される傾向があります.そのため,現状の学校教育は,学習内容が溢れている状態(カリキュラム・オーバーロード)であり,その解消が学校教育においては喫緊の課題となっています.そこで本研究では,新教科「未来探究科」を創設し,一人一人が社会の一員としての自覚をもって実現したい未来を描き,その未来の実現に向けて能動的にアプローチをし続けることができる資質・能力を備えた子どもたちを育てるとともに,資質・能力を基盤とした各教科と横断・統合したカリキュラム開発を実施することでカリキュラム・オーバーロードを解消することを目的とし,その教育課程に関する研究開発を行います.

研究の方向性

(1)めざす子ども像と資質・能力

これからの社会は,よりVUCA(予測困難で不確実,複雑で曖昧)な時代になると予測されています。その対応としては,まず,変わりゆく社会にどう対応していくかといった受動的な姿勢ではなく,どのような社会を作り上げていくかといった能動的な姿勢であることが必要であり,その姿勢がエージェンシーの理念にもつながっています。そして,社会を作り上げる際は,自身が有する「正しさ」という論理だけに頼ることなく,物事の背景にある相互関係性やそれぞれの有限性,自身と他者が捉える解釈の多様性等についての理解を深め,自身の捉え方を整えることが求められています。そのためには,学問といった普遍的な知識から形成される概念や,複雑な事象の中で自覚的・意図的に思考スキルを活用して物事の本質を見出す方略が重要となると考え,これらをまとめて「実用的で学問的な学び」と定義しました。以上のことから,「未来探究科」でめざす子ども像を『社会や集団の形成者としての自覚と責任をもち 多様な見方で物事を深く考える子ども』と設定しました。そして,めざす子ども像から未来探究科で育てたい学力の要素を「価値・概念・方略」の3つに分けて捉え,「探究に向かう力」と「創造する力」の2つの資質・能力を設定しました

表1 未来探究科で育成する資質・能力

探究に向かう力

社会や自己のあり方を問い直しながら実生活・実社会の課題を見出し,多様な他者と協働しながら積極的に実生活・実社会に働きかけることができる。

創造する力

領域固有の豊富な知識やスキルを統合・横断させて,多様な見方・考え方を駆使しながら,実生活・実社会の事象の全体像を捉えて本質的に考えることができる。

 

(2)探究のサイクル

「未来探究科」における学習の過程は,総合的な学習の時間の探究的な学習のプロセス(課題の設定,情報の収集,整理・分析,まとめ・表現)に新たに「価値づけ」の時間を加えた一連の学習活動としました。この「価値づけ」の時間は,「自らの取組による成果と課題を見出し,自分の生き方・考え方を見つめ,人間的価値観を形成・再構築したり,取組内容や社会に対しての新たな意味や価値を見出し,社会的価値観を形成・再構築したりする時間」として,「まとめ・表現」の後に位置づけました。「探究に向かう力」「創造する力」の資質・能力の根幹となるエージェンシーの理念は,めざす子ども像においての「社会や集団の形成者としての自覚と責任をもち」という部分に表れています。エージェンシーとコンピテンシーの関係についてOECD(2019)は次のように述べている。
エージェンシーは生徒が未来を作っていくために必要なコンピテンシーを発達させる基礎である。生徒が学び,フィードバックを受け,自分の働きを振り返ることにより発達し得る。
これは,エージェンシーはコンピテンシーを発達させるものでもあり,振り返りによって発達するものといった捉えを示しています。「価値づけ」の時間は,エージェンシーの2側面でいうと振り返りによって発達する役割を担うことができます。そこで「未来探究科」においては,自らの学びや取組を中長期スパンで振り返る「価値づけ」の時間を改めて設定し,エージェンシーに関わる「社会や集団の形成者としての自覚と責任をもち」という価値づけを充実させることで,めざす資質・能力の育成をより確かなものへとすることができると考えました。
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(2024(令和6)年度より)

未来の社会を創り出す子どもを育てる概念ベースの探究カリキュラム開発

〜資質・能力と評価の明確化〜

これまでの未来そうぞう科に代わって,2024年度から新たに未来探究科への取り組みを始めました.未来そうぞう科は,2016年度以来2019年度までは研究開発学校として,その後2023年度までは教育課程特例校として,取り組んでまいりました.2024年度からは,再び研究開発学校として,未来探究科への取り組みを始めます.

新教科「未来探究科」を創設し,探究的な学びの中で持続可能な社会の創り手となるための資質・能力を育成するとともに,各教科の学習を統合・横断したカリキュラム・マネジメントで教育課程全体を再編することを目的とする教育課程に関する研究開発に取り組みます.
平和で,公正で,持続可能な社会の構築のためには,VUCA(予測困難で不確実,複雑で曖昧)社会への対応ができるとともに,自身も社会の一員としての自覚をもってより良い未来を思い描き,その実現に向けて能動的にアプローチし続けることができる資質・能力が必要です.一方で,学校教育では,社会的な要請から数え切れないほどの新しい学習内容が登場し,既存の学習内容に追加される傾向があります.そのため,現状の学校教育は,学習内容が溢れている状態(カリキュラム・オーバーロード)であり,その解消が学校教育においては喫緊の課題となっています.そこで本研究では,新教科「未来探究科」を創設し,一人一人が社会の一員としての自覚をもって実現したい未来を描き,その未来の実現に向けて能動的にアプローチをし続けることができる資質・能力を備えた子どもたちを育てるとともに,資質・能力を基盤とした各教科と横断・統合したカリキュラム開発を実施することでカリキュラム・オーバーロードを解消することを目的とし,その教育課程に関する研究開発を行います.

研究の方向性

(1)めざす子ども像と資質・能力

これからの社会は,よりVUCA(予測困難で不確実,複雑で曖昧)な時代になると予測されています。その対応としては,まず,変わりゆく社会にどう対応していくかといった受動的な姿勢ではなく,どのような社会を作り上げていくかといった能動的な姿勢であることが必要であり,その姿勢がエージェンシーの理念にもつながっています。そして,社会を作り上げる際は,自身が有する「正しさ」という論理だけに頼ることなく,物事の背景にある相互関係性やそれぞれの有限性,自身と他者が捉える解釈の多様性等についての理解を深め,自身の捉え方を整えることが求められています。そのためには,学問といった普遍的な知識から形成される概念や,複雑な事象の中で自覚的・意図的に思考スキルを活用して物事の本質を見出す方略が重要となると考え,これらをまとめて「実用的で学問的な学び」と定義しました。以上のことから,「未来探究科」でめざす子ども像を『社会や集団の形成者としての自覚と責任をもち 多様な見方で物事を深く考える子ども』と設定しました。そして,めざす子ども像から未来探究科で育てたい学力の要素を「価値・概念・方略」の3つに分けて捉え,「探究に向かう力」と「創造する力」の2つの資質・能力を設定しました

表1 未来探究科で育成する資質・能力

探究に向かう力

社会や自己のあり方を問い直しながら実生活・実社会の課題を見出し,多様な他者と協働しながら積極的に実生活・実社会に働きかけることができる。

創造する力

領域固有の豊富な知識やスキルを統合・横断させて,多様な見方・考え方を駆使しながら,実生活・実社会の事象の全体像を捉えて本質的に考えることができる。

 

(2)探究のサイクル

「未来探究科」における学習の過程は,総合的な学習の時間の探究的な学習のプロセス(課題の設定,情報の収集,整理・分析,まとめ・表現)に新たに「価値づけ」の時間を加えた一連の学習活動としました。この「価値づけ」の時間は,「自らの取組による成果と課題を見出し,自分の生き方・考え方を見つめ,人間的価値観を形成・再構築したり,取組内容や社会に対しての新たな意味や価値を見出し,社会的価値観を形成・再構築したりする時間」として,「まとめ・表現」の後に位置づけました。「探究に向かう力」「創造する力」の資質・能力の根幹となるエージェンシーの理念は,めざす子ども像においての「社会や集団の形成者としての自覚と責任をもち」という部分に表れています。エージェンシーとコンピテンシーの関係についてOECD(2019)は次のように述べている。
エージェンシーは生徒が未来を作っていくために必要なコンピテンシーを発達させる基礎である。生徒が学び,フィードバックを受け,自分の働きを振り返ることにより発達し得る。
これは,エージェンシーはコンピテンシーを発達させるものでもあり,振り返りによって発達するものといった捉えを示しています。「価値づけ」の時間は,エージェンシーの2側面でいうと振り返りによって発達する役割を担うことができます。そこで「未来探究科」においては,自らの学びや取組を中長期スパンで振り返る「価値づけ」の時間を改めて設定し,エージェンシーに関わる「社会や集団の形成者としての自覚と責任をもち」という価値づけを充実させることで,めざす資質・能力の育成をより確かなものへとすることができると考えました。

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